熊本県熊本市の税理士法人 永田会計

文書作成日:2024/05/10
6月支給の給与計算時に定額減税を行う対象者は誰?

6月支給の給与計算時に定額減税(月次減税)を行う対象となる人は、誰ですか?

出演: … M社 総務経理部   … 顧問税理士

― M社 ―

M社総務経理部まいと顧問税理士が、打ち合わせをしています。

弊社の決算もようやく終わりがみえてきたので、そろそろ定額減税の準備をしなきゃいけないんですけど、やる気が起きないんですよね……。

そうですね。
6月1日以後支給の給与の源泉徴収税額から控除する、月次減税事務を行う必要がありますから、そろそろ準備しないと間に合いませんね。
まずは、控除対象者の確認でしょうか。

うーん……。
とりあえず全員控除しておく、ではダメですかね?

それはちょっと乱暴ですね。
一応、マル扶(扶養控除等申告書)を提出している居住者であって、6月1日現在御社に在籍している方であることが、対象者となる要件ですから。

マル扶を提出しているということは、源泉徴収税額を計算するときの「甲」欄適用者ということですか?

ご理解のとおりです。
「給与所得の源泉徴収税額表」の「甲」欄適用者です。
ですから、「乙」や「丙」欄適用者は、対象から外れます。

6月1日現在在籍、ということは、6月支給分が弊社の最終給与となる5月退職者は、対象から外れるということですか?

そうです。
ご理解のとおりです。
6月2日以降、御社に入社された方も月次減税の対象から外れますね。

まあ、そうですよね……。
控除する定額減税額(月次減税額)は、本人分だけではダメですかね?

マル扶の情報で扶養する家族、細かい言い方ですと、居住者である同一生計配偶者や扶養親族が確認できる場合には、月次減税額を計算するにあたって、1人あたり3万円に乗ずる数に含める必要がありますから、ご家族の確認は必要ですね。
マル扶以外の申告書(源泉徴収に係る定額減税のための申告書)で、扶養する家族の情報を提出されたら、そちらでも確認しなければなりませんし。

「甲」欄適用者ならば、「扶養親族等の数」ではダメなんですか?

非居住者や16歳未満の扶養親族の取扱い、障害者や寡婦等の場合の数の加算有無など、今回の「数」と「甲」欄の「扶養親族等の数」では違いがあるので、「扶養親族等の数」をそのまま利用することはできないですね。

えぇーっ!
もう、もう、もう、もうっ!!

落ち着いてください。

いや、これ落ち着いてられないですよ。
なんでこんな面倒なことを……。
年末調整のときに一斉に控除する、ではダメなんですか。

そうですね。
現状では、年末調整時に行う年調減税事務で一斉に、というような宥恕措置は出ていません。
月次減税事務を粛々とやっていくしかありませんね。

はぁ〜。
……まずは、控除対象者の確認から、ですね。

おっしゃるとおりです。

「甲」欄、ね……。
給与情報からデータをダウンロードしようかな。

頑張ってください。

先生、他人事!

いえいえ、他人事ではありません。
私たちも大変なんですよ。苦笑

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。
 本情報の転載および著作権法に定められた条件以外の複製等を禁じます。