熊本県熊本市の税理士法人 永田会計

文書作成日:2024/06/04
市町村が実施する障害者相談支援事業の委託料についての消費税の取扱い2

[相談]

 私は、社会福祉法人で経理を担当しています。
 先日、市町村が行う地域生活支援事業として行われる障害者相談支援事業に係る委託料については、消費税は非課税ではなく課税対象であると教えていただきましたが、障害児・者の相談支援に関する事業で他にも消費税の課税対象となるものがあれば教えてください。

[回答]

 地域生活支援事業として行われる障害者相談支援事業だけでなく、障害児・者の相談支援に関する事業である住宅入居等支援事業や、基幹相談支援センターを運営する事業に係る委託料についても、消費税の課税対象となります。詳細は下記解説をご参照ください。

[解説]

1.地域生活支援事業として行われる障害者相談支援事業に係る消費税の取扱いの概要

 障害者総合支援法に規定する相談支援事業は、@(障害者に)個別給付で提供される相談支援(一般相談支援事業、特定相談支援事業)と、A(市町村が行う)地域生活支援事業として行われる相談支援に区分されています。このうちAの地域生活支援事業として行われる障害者相談支援事業は、消費税が非課税とされる社会福祉法上の社会福祉事業には該当しないことから、その委託料は消費税の課税対象となります。

2.社会福祉法上の社会福祉事業に該当しない障害児・者の相談支援に関する事業とは

 厚生労働省によれば、障害児・者の相談支援に関する事業である以下の事業についても、上記1.と同様に社会福祉法上の社会福祉事業には該当しないとされています。

  • 障害者総合支援法第77条第1項第3号関係
    住宅入居等支援事業(居住サポート事業)
  • 障害者総合支援法第77条の2関係
    基幹相談支援センターを運営する事業(基幹相談支援センター等機能強化事業を含む。)
  • 障害者総合支援法第78条第1項関係
    障害児等療育支援事業
    発達障害者支援センターを運営する事業
    高次脳機能障害及びその関連障害に対する支援普及事業
  • その他
    医療的ケア児支援センターを運営する事業

 したがって、上記の事業に係る委託料についても消費税の課税対象となることにご留意ください。

[参考]
消法6、別表第一、消基通6-7-5、6-7-9、社会福祉法2、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律5、51の14、51の17、77、77の2、78、国税庁質疑応答事例「障害者相談支援事業を受託した場合の消費税の取扱い」、国税庁「障害者相談支援事業等に関連するお問合せ(Q&A)」(令和6年4月)、国税庁消費税室「「障害者相談支援事業」に係る消費税等の取扱い」(令和6年4月26日)、厚生労働省事務連絡「障害者相談支援事業等に係る社会福祉法上の取扱い等について」(令和5年10月4日)、厚生労働省「障害者相談支援事業に関する自治体説明会」(令和6年4月26日)など

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